文武両道

文武両道は、日本において武士の目指して理想のモノノフの道とされていたのであるが、中国でも、生まれた時から身体弱く、初めは学問に励んでついに筆を折り、武の道に入り名を成した有名な 武術家は多かった。

文を金に例えると、武は鉄である。鉄は鍛えて研げば人を殺傷できる。殺人の武器となるが、金は鍛えるとグニャリと曲がって武器にはならない。しかし、高価で誰にもありがたがられる。文武両道を武文両道と書かないように文を先に書いて文の優位性を説いている。戦争においても、先ず外交を先にしてから戦争 に突入することになっている。外交の下手な日本は戦争に負けてしまったのである。この事実から分かる通り、鉄ばかり持つ武術家は鉄を先に使おうとして理性を失う武術家になってしまう。

金、文の割合が少ない。私の半世紀に渡って見て来た武術家の中には文武両道の人はついぞ見たことがない。が、私が唯一尊敬できる尤氏長寿養生功のドクター尤老師は、医術を当時世界最高のドイツ医学を修め、少林拳の達人でもあり、大成した中国拳法の意拳の真髄を極めた武術家で、私の理想の最高の目標とする方である。