使える筋肉

筋肉を鍛えるボディビルディングなど、または重量挙げなどで鍛える筋肉は尤氏長寿養生功においては、避けねばならない筋肉の鍛え方ではあるが、私はあえてタヒチに行けば筋トレをするつもりではある。修行法としては間違っているがあえてリハビリの為には私にはやむを得ないことであると考える。どうも左脚の筋力が未だ充分に回復していない。右脚が異常に普通以上に強くて左脚と均衡が取れない。この不均衡を直すのにトレーナーの指導が必要なのである。リハビリでいつも質問をしてこれからの筋トレとストレッチについてタヒチではジムに通い、ヨガのストレッチで柔らかさと筋肉のバランス良く身体の改造を行ないたいと思っている。筋肉には使える筋肉と使えない筋肉がある。人に見せる筋肉は大きくなるがそれだけのことで、人間に対して使えないもので武術的には役に立たない。以前グレーシー柔術ヒクソングレーシーがトレーニングしていたのを見たことがあるが、バーベルなど使わずに自重トレーニングで片足スクワットをやっていた。そう、東洋の身体運動、例えば相撲の四股が典型的なものである。大関貴乃花は鬼の師匠である先代若乃花にしごかれて四股を百回、毎日の日課としていたと言う。そうして作り上げた下半身は地面に根が張っているようで、投げを打っても動かなかったと相手の力士が回想している。四股を踏む時に十キロの重りをつけていたと言うがこれは筋肉を大きくする目的では無く、相撲に使える筋肉を鍛えていたと思われる。私は站椿功と震脚、ジャンプで下半身を鍛えてどんなに大きな男が押して来ても動かない脚腰を作った。修行の時代を終えた私はこれより先、何年も生き延びて尤氏長寿養生功を伝えて行く義務と責任がある。まずは私の障害になっている左脚を健常にしなくてはいけない。そのための筋トレとしてタヒチのジムを選んだ。そして筋肉を硬くしない為にヨガで筋肉の柔軟性をつけることにした。どうせ筋肉を鍛えるならば、使える筋肉を作りたい。習ったこともないものを自分で創始したと言っているニセモノたちも見かけだけの筋肉のようなもので人に見せることが目的で、使えるシロモノでは無い。瞑想が実はとても難しいものであるのを簡単に考えて自分の道場を開いた者もいて、まさに百花繚乱で、毒花もある。