氣とゴールキーパー

先日、私にとって非常に興味深いテレビ番組を見た。NHKの過去の日本サッカー代表の劇的なシーンを集めて放映していた。その中にPK合戦となり、日本のゴールキーパーが一人でゴールを最後まで守り切って逆転勝ちして決勝に勝ち進んだ試合である。アジアカップ北京大会準決勝だった。ゴールキーパーは心身共に調子が悪く最初のうちは三本シュートを入れられてしまう。日本も三本入って同点、再延長のPK戦となる。おそらくサッカー史上これほど緊迫したPK 戦は無かっただろう。ゴールキーパーが代表に大抜擢されて計り知れない緊張があって相手の蹴ったボールに反応出来ない。最後の二本前の相手のキックしたボールに反応して跳んだのは逆側だったが、それで吹っ切れてリラックスした。スコアーは4ー3で負けている。勝ち上がるにはボールを止めるか相手のミスキックするしかない。相手の選手のコメントでは、キーパーの気迫に負けていた、キーパーが巨人のように大きく見えた、普通ならば助走は短く取るが、この時だけは緊張して、助走を長く取ってしまった、ベテランのキッカーが外してしまい自分も外すのではないかと思った、そして最後のキッカーはキーパーの顔を見ることなど出来なかった、と言って全員が日本のゴールキーパーの氣によって影響を与えられていた。私には映像の中のゴールキーパーの顔を見て氣が全身から出ているのを確かめることができた。絶対絶命の最後のキッカーのボールは大きくゴールから外れて、日本のPKが最後の最後に決まって決勝進出を果たした。私にも同じ経験がある。私が空勁を相手にかけた時に、太田さんの身体がとても大きく見えていた、殴ろうとするんだが、殴る氣がしない、剣道の範士は竹刀で打ち込んで行けない、意識が飛んでしまっていた。などなど様々なコメントをしていた。私にだけ分かっていることがある。サッカーに限らず、あらゆるスポーツにこの氣功の瞑想によって培われた氣が応用できるのは、私は自信を持って断言できる。日本のゴールキーパーは体調が悪くて肉体的には緊張強く調子は良くなかったが、4本連続してゴールを守っていたのであった。開き直って、心は無心であった。その時は緊張感も消えてしまい自分から先に動かず、相手がキックするまでジッと待つ心境になって全神経を相手に放っていた、と言う。身体は極限までリラックスしていた。これこそが私が空勁を打つ時の心境である。このゴールキーパーPK合戦の最後の四本を止めたり、外させた時に私と同じレベルの氣功家になっていた。私には聞いたことがある。ドクター尤老師は良く言っていた、と言う。一流のスポーツ選手が練習をして極限まで至ると知らずに通氣となってしまうことがある、と。私自身は日本のスポーツ選手に尤氏長寿養生功の立禅、座禅の訓練を紹介してスポーツ選手のレベル向上に役立ててもらいたいと思っているが、チャンスがこれまでに無い。そこで、タヒチに私の友人がサッカーのコーチを務めている者がいるので彼に站椿功と座禅の効果を説明して取り入れてスポーツ選手の向上に努めて行くように進言したいと思っている。もう一つにはテッコンドーの監督が私の道場生になっていて彼の娘を再度チャンピオンにして欲しい、と言われている。テッコンドーには座禅を盛んにして脳の反応が手足に光のスピードで伝わるようにすれば、反射神経は飛躍的に向上する。監督やコーチは西洋式だけのトレーニングしか知らないで選手にアドバイスを与えている。東洋の伝統の智慧や瞑想を取り入れるとさらなるレベルまで選手のチカラを引き上げることができる実証を海外でやってみようと興味と希望でいっぱいになってワクワクする日々を送っている。