タヒチの冬とくだもの

常夏の国、タヒチではふんだんなフルーツが庭先になる。マンゴ、バナナ、パイナップル、ココナッツ等どの家にもある。太陽の光強いので、甘味強くどれも美味しい。こんなことがあった。冬に行くからまた会おう、と私が言ったら何月に来るんだ?と。あ、そうか、タヒチの冬はこちらの七月だったっけ、と反省した。冬はタヒチには二回ある。七月と十二月である。七月には気温が少し下がり雨が降る。十二月は夏になって気温が40度にもなる。一度二月に行ったら、日本を出発する時には零下でタヒチに着いたら40度もあった。温度差が50度もあった。フルーツは私の知り合いのスーパーマーケットのオーナーからタダでもらえる。朝方には、マグロの大トロも届く。彼は毎日大きなマグロを買って三十年も前に教えた三枚おろしの解体を教えてからその解体で刺身を売って大儲けをして来たので私に借りがあるのを覚えているのだ。私が教えるまでは大きなマグロを輪切りにして売っていた。ステーキにして食べていたらしい。ハワイに行って寿司を食べて刺身を知ったタヒチアンは刺身を食べるようになったので、今ではマグロの刺身は高級品である。刺身で売ったらとても売れたらしい。笑ってしまう話である。他にもウニが取れる。小粒で水っぽいが、それでもウニだ。一度ホテルでバイキングで夕食を取っていた時にウニがどんぶり一杯あって誰も手をつけない。もったいないから、代表して全部食べてやった。ウミガメも取れるが、今は保護されているから取って食べれば警察に捕まって罰せられる。ところ変われば品変わると言うが、三十年前には中国系タヒチアンはココナッツを加工していて野生のブタを密林で追いかけ回して、一緒に食べたこともあった。ハワイよりもっとワイルドであり、立派な狩猟民族である。おっかない顔をしているが、天使のような心を持つ巨人のタヒチアンを私は大好きである。