架空敵国

策謀を巡らす国家は国民の関心を国内に向けると独裁者のウソがバレるので何とかして国の外に国民の目を向けさそうと必死に架空の仮想敵国を作り真っ赤なウソで国民を欺くことは独裁者の取る常套手段である。私の道場でも私が日本の責任者にしたオトコは同じ文化の同じ手段を用いてこともあろうに、私を架空の仮想敵国のように道場生に喧伝して道場内での自分への権力を集中させようといわゆる、引き締めを図っていたのである。彼の口から同内容の説明があった時には何がなんだか良く分からない。当時は信用していたから道場でも必要なことを考えてしているのであろうとうっちゃって置いた。乗っ取りと裏切りを考えていたとは思わぬ私の不徳の致すところである。同じ文化を引き継いでいれば無碍なるかな、である。初めはそんなそぶりも見せず、態度にもソツが無い。豹変したのは私が病気になって、このオトコが贅沢の限りを尽くして道場の閉鎖に追い込まれていた時からである。態度がおかしなことに加えて言動にもトゲのあることに気付いた時にすでに体調が悪くなっていた私の妻が日本に行って事情を探って来る!と言い張って本来なら私が行くところなのだが、妻のたっての気迫ある態度に押されて日本行きを決定したのであった。妻の報告で全てが明かるみになってウソで私の名で大借金をしていたこと、道場生をうまく利用して指導員に教えさせて自分は関西で遊び回っていたこと、などなど、全てを知ったのは後の祭りであった。私を仮想敵国のように道場生に喧伝して引き締めを図る北朝鮮のようにしていたのであった。そうまでやって道場を運営しないとまとめることすらできぬ本人の実力の無さを証明するものである。だから、北朝鮮の独裁者もチカラの無い人間なので恐怖政治を行っているのかと思うとこのオトコのやり口が良く分かる。暗殺を怖れて、寝場所を転々と変えている、金日成に少しでも近づこうと整形手術までして顔を似せている、などの情報を英語のインターネットで脱北者の生の証言を聴いた私は個人と国家の独裁者に全く同じ共通点を見いだしたのである。このオトコは道場をめちゃくちゃにした後には逃げ回って、手前味噌の自分を北朝鮮の独裁者よろしく神格化して自分が神さまのチカラを借りて立ち上げたと言っているがその中身はそれしか能のない日本拳法である。全く茶番の好きな三文劇の好きなオトコではある。いつもそうだった。リハーサルして鏡を見てから人前に出ると言う。学芸会で活躍していたと言うから同じことをしていたと思われる。真の実力はマネや恐怖心を抱かせて作るものではないことを知らないらしい。いつか独裁者は倒される。真の実力はいづれ人前で暴かれる。実力を都合の良い口で繕えば大勢の国民の目と耳で知られることになる。一つの小さな穴が堤防の決壊を引き起こすのである。個人も国家も同様に人に見られて評価を受けて審判されるものなのだ。日々の訓練と努力で指導者は常に向上に努めて行くべき存在なのである。 豚のように自分だけ太り、国民は飢えている。こんな国と自分だけ得をして道場生と師匠が騙される。こんな国家と個人が崩壊するのは時間の問題で国の破綻と自己の破滅が待っている運命なのだ。