氣の働き

鍼灸の古典書によれば、氣は血を導き血は氣に栄養を与える、と書いてある。氣血水と言って病氣と氣には深い関係のあることが分かる。痛みはゴムバンドで腕や足を縛って長時間放置して置くと痛みが出て来ることから分かるように氣が結滞することによって痛みを感じる。また氣血が滞ると腫瘍となると言っている。どちらにしても、氣が滞ることは同じである。病氣は氣の病いであるから大学病院でいくら検査しても原因の分からぬ病氣がある。氣は検査しても目には見えないから氣が原因だとは思われない。東洋医学の治療を受けて即治することがあるのは氣を流して氣血の結滞が流れたのでいっぺんに血流が良くなり痛みや腫瘍が小さくなったからである。アメリカの私の診療所では一般のギックリ腰や腰痛五十肩を含めて子宮筋腫などの腫瘍も即治した。内蔵の問題は手術をせねば治らないと思い込んでいる人が多いので鍼灸には訪れないがそんなことは無い。別な問題で来院した患者が筋腫がいつの間にか消滅していた、というラッキーな患者も実際にはいたのである。氣血水の水についても同じである。髄液などの東洋医学の水と呼ぶものが脳内に溜まって脳神経を圧迫する病氣で水頭症というものがある。氣が動かず水の髄液が滞っているので氣で水を流すようにすれば改善快復するはずである。熊本の講習会では水頭症の患者も来ることになっているので氣で水の結滞を流せるかどうか試してみようと思う。即治は一回の治療では無理かも知れないが、歩行困難が少しでも改善すると思えば治療してみる価値はありやってみることは無駄にはならないと思うのである。氣に反応する患者は治りが早いことは長年の治療で確認しているので治療してみないと分からない。武医一如と言って、氣は武術にも医術にもその働きは応用できるものである。どちらの領域でも奇跡的な働きをすることが私には経験済みなのである。