私は縄文人

私は生粋の東北人で、特に母方の家系は八戸近辺の貧乏武家の出であったと聞いている。東北にはその昔はアイヌが住んでいて、私にはアイヌの血が流れていると勝手に解釈している。いつだったか、日本を良く知りアイヌにも友人がいた外国人が私の顔を見て、おまえの顔付きはアイヌだ、と言われたことがあるのでそれ以来、私の血にはアイヌの血が流れていると確信したのである。アイヌは沖縄の港川人と同様に縄文人とされている。縄文人が日本人の祖先であることは誰でも知っていることだが、諸説あって四万年ほど前にシベリアからマンモスを追って南下して来たモンゴル系の部族が北海道と東北に住みついて縄文人日本人の祖先となったと言うのが定説となっている。どうりで私はホタルやトンボを見ると涙が出てとても懐かしくなる。そしてタヒチの現地人が私ととても近しくなって、お前はタヒチアンに好かれるタイプなんだ!と言われたこともあった。私に流れる血のせいなのかもしれない。三十五年前に大阪で道場を開いた時も、都会を離れて田舎の温泉地で瞑想を続けていた。都会は住みにくい。私が住もうとしているタヒチの小さな島には自然が残り私の友人の家の近くには滝があって彼は毎日滝を眺めに行っていると言う。自然のエネルギーに毎日浴している彼と友人になるのは当然である。タヒチアンの祖先もアジアから小舟で移住して来たと言われているが、もうひとつの日本人の祖先の仮説も十万年も前に舟で日本に移り住んだ海洋民族と言う説もある。が、学者に支えられているシベリアモンゴル系部族説が一番有力だ。DNAチェックでも同じDNAが認められたから、ほぼ間違いないだろう。弥生人が日本に来るまでは、縄文人は一万年以上も戦争をすると言うことを知らなかった。お互いに協力しながら長いあいだ生きていた。傷ついた老人を手厚く葬った人骨が発掘されて当時福祉の考えがあったと考えられている。縄文人が定住しながら狩猟採集社会を作っていたのは歴史的に世界でも例を見ない。我々のご先祖さまは心優しい和を尊ぶ人間たちであった。今の日本人には学ぶことが多いのではないか?