空勁の秘密

空勁にも誰も知らない秘密がある。空勁は勁から一段階ステップアップしたワザである。他の氣功団体のするただ人を氣で動かすものとは尤氏の空勁は一線を画している。勁ができるまでに作った身体を基にして氣が身体から出るまでに育成したエネルギーを使って相手を触れずにコントロールする。上虚下実となった身体をもっとリラックスさせて氣を最大に身体から出して相手に向けるのだが、相手との氣が繋がっていないのにいくら触れずに投げようとしても何も起こらない。だから始めには勁をかけて十分に氣が繋がった時が空勁をかけるチャンスである。だから勁を十分にかける下地が必要なのだ。自分の氣が丹田に降りていることが大切なのである。通氣になってもいないうちに師範と名乗って得意げに人を飛ばしている者もいるが、そんなことで氣を使い過ぎると自分の免疫力が下がり、何かの病気になってしまうことを知らないようである。感染症にも罹り易くなって重症化するリスクも出て来るのだ。今となっては、アイツも私もどうすることもできない。通氣になることが必須であるが、誰にでも通氣を与えることは師母はしなかった。通氣になると氣は丹田に降りたままになって上には上がらなくなる。赤ちゃんは全て通氣であると言っていた。氣が丹田に降りていると身体が若返る。私が集中治療室から一人生還したり、身体の障害が奇跡的な回復をしていることは私が通氣になっていることと無関係ではないだろう。私の他にもサンフランシスコの先輩達が空勁ができていると思われるが、交流は一人だけなので良くはわからない。私のようにマスコミなどに取り上げられて、初対面者に勁空勁をかけているのは私一人かも知れない。初対面者に空勁をかけられるまでに三十年の時間の研究と努力を要したのである。実験と観察を繰り返してついに勁空勁の法則を私は発見したのであった。