愛と仁

西洋の愛と東洋の仁には微妙な違いがある。が今の時世には、そんなことはどうでも良い。私が半世紀近く住んでいたアメリカで白人警官が黒人容疑者を死亡させた問題には明らかに差別意識があった、と言わざるを得ないだろう。私は黒人の人口が大半の街、オークランドに長いあいだ住んでいたことがある。当時、殺人件数が全米一高い街であった。白人は少数であるから差別は無く、逆に黒人が白人を逆差別していた。黄色人種である私には戸惑いのある状況だったが、黒人も白人も個人的に付き合えば普通の付き合い易い人たちであったからだ。キリスト教では隣人を愛せよ!と言っている。何故に呼吸が止まるまで首を圧迫し続けたのか?人種は違っても同じアメリカ人ではあるのにこんなことができるのは人への尊敬や愛の気持ちが無いように思える。無知で教養無く、警官になれば待遇が良く社会的信用もあり何より権力ある立場に立つことができるのである。私が渡米した時と旧態依然として警官の暴力事件は変わっていない。アメリカの恥部が暴かれ、裁かれようとしている。