密命

私はある時、師母から密命を受けたことがある。ある日突然師母の長女の娘さんのミミから一枚の日本の武術雑誌のコピーを渡されて「日本語で書いてあるから何も分からない!これを読み何が書いてあるか教えてくれ!そしてお前の感想を聞かせてくれ!」と言うのであった。私が通氣を受けて二週間ほど家で何もせず休んでろ!と言われてやっと練習に行ったらある一人の日本人がいる。話してみれば、尤氏長寿養生功について新しく書く本を書くのに必要な師母とドクター尤の写真をもらいに来てると言う。師母が私にコイツを押せ!と言うのである。押してみると、力で私の腕を上げて押すチカラをそらすのでそれ以上は押せ無かった。明日明後日に日本へ帰る、と言うので帰りは私の車で送りましょうか?と聞けば承諾するので昼飯を行きつけの中華飯店で食べながらいろいろ話をしてみた。自称ジャーナリストで太極拳が相当できるらしい。太田くんはまだまだだな!氣では無くてチカラで押している、と言われて傲慢な人間だなという印象を受けた。そして師母から写真をもらえなかったのはお前のせいだ、と言う。私が師母に讒言したから写真を渡してくれなかった、と恨んでいる。武術雑誌に書いてあったことは誰も知らない秘密の通氣の内容だった。それで私が娘さんのミミに言ったことは、誰も知らない秘密を書いて、彼は通氣にもなっていないので通氣について書くのはスジが通っていないのでは?と報告して置いたのである。そしてまた、師母からもコイツをやっつけて追い返してしまえ!と言われていたのである。私は同じ日本人同士が海外にまで来て争うこともあるまい、と思い昼飯を奢って別れたのであった。私は彼をU さんとさん付けして彼は私を太田くん、と呼んだ。私が歳上にも関わらず、である。そして太極拳の大先生でジャーナリストである、と言う。私が大阪で道場を開いていた時に一道場生が持参した本を読んで驚いた。私と思われる者を悪しどく悪口を2、3ページに渡って書いてある。オトコの嫉妬と恨みは根が深いものである。そんなに武術が得意なら、私より先輩で実力あるならば、何故師母から私が密命を受けてやっつけて追い払え!と言われたのであろう?そんなに悔しくて、私に恨みがあるならば直接私に連絡して氣の勝負を挑んで来たらどうか?と思うが今まで一度も連絡は無い。今、何処で何をしているのかは私が知る由も無い。